高野山 別格本山「總持院」住職 宮田永明様へのインタビュー




高野山はおよそ1200年前、紀伊半島の中央で、標高約1000mの山です。弘法大師 空海上人によって開創されました。東西約4km南北3kmの山内には『総本山金剛峯寺』をはじめ、壇上伽藍や弘法大師ご入定の地である奥の院。その他大小様々な堂塔寺院が軒をつらねて、2004年7月認定の世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』の中心として世界中の耳目を集めています。

昔から高野山には越後の国は何々院、山城の国は何々院と、それぞれ国々の宿坊(所縁坊)が決まっていました。江戸時代には812の寺院が存在していたようです。しかし今日では117寺院とその内宿坊寺院は52ケ寺となっております。

現在では、世界遺産『紀伊山地の霊場と参詣道』巡りだけでなく、宿坊選びも楽しみの一つとなっております。宿坊は、本来は僧侶のみが宿泊する施設でした。その後次第に、貴族や武士、更には一般の参詣者も宿泊できるようになりました。

近年では、精進料理・客室・お風呂や庭園などそれぞれの宿坊に特徴を出しています。また般若湯(はんにゃとう)と呼ばれるお酒やビールも自由に飲むことができます。夜は都会の喧騒を忘れ、宿坊でゆっくりと精進料理を召し上がり、翌朝は本堂での朝のお努めや、写経や写仏に参加されるのもいいでしょう。

今回訪れた別格本山「總持院」は、総本山金剛峯寺の西隣です。 かつて江戸・大阪・京都や熊本、岡山、三重など全国各地の所縁坊とし、今なお多くの参拝客に参詣されています。またこちらの宿坊では、囲碁タイトル本因坊戦が開催されました。この時、大庭園の中「桜の間」で行われました。こちらの部屋は、現在は特別室として宿泊することができます。


別格本山「總持院」の住職 宮田永明様にお話を聞いてきました。


とても由緒があり、 風格のある宿坊と拝見しましたが?
建立が平安時代になります。1000 年以上の歴史を刻んでいます。でも文化的遺産の維持はとても大変です。

一般の寺には檀家さんがおられ、その檀家さんが自分のお寺を守りたいとお布施という形で寄付されます。

しかし一方、高野山の宿坊には檀家さんはおらず、宿泊して頂く宿泊代が収入となる。この限られた収入だけで代々ここを維持しているのです。

また宿坊も高野山に52 か所もあります。参拝客の皆様に喜んで頂くような環境・施設・サービスを日々向上していかないといけません。



寺院の維持・管理で気を使われている事は?
總持院の住職として仕事をしているが、建立されてから今までとそしてこれから将来、過ぎていく時間を考えると、住職として着任している期間は一瞬でしかないのです。

この寺院を管理維持していくためには、限られた資金を有効に活用するために新しい技術は積極的に取り入れています。

例えば、本堂などの屋根です。ここにコケラ(スギを薄く剥いだ板)を使うと、耐用年数は30 年間です。

これをヒバ(ヒノキを薄く剥いだ板)に変えても耐用年数は40年間です。コケラ・スギでは在任中にもう一度屋根を葺き替えないといけない恐れがある。

また、昨今の酸性雨により、金属の銅であっても腐食し、穴が開いてしまう。だから、当院ではチタン製の屋根を使っています。

やはり少々高価でもチタン製が耐久性においても優れている。チタン製屋根は当院と京都の建仁寺だけだと聞いています。

工事や改装するときはやはり将来の耐用年数が気になります。だから『いいものを使っていく必要』があるんです。

寺院とか住職さんには、伝統を守るというような 保守的な印象を持っていましたが?
現在受け継いでいる財産を、これから先もずっと守ってい くために、常に最新情報を知っておく必要があります。

例えばこの壁は漆喰でできています。漆喰は土壁の防水 性を高め、調湿作用があるので古くから城郭・寺院・商家などに広く使われていました。伝統建築材料ともいえます。

でも現代では、建て替える時に出る古くなった漆喰は、消 石灰が材料なので産業廃棄物に該当するのです。

伝統、伝 統と一辺倒ではなく、柔軟にしっかりと考え、時代に合ったより良いものを選ぶようにしています。



OPTIMUSを知ったきっかけが 新聞記事だとお聞きしましたが?
先ほどもお話ししたように、私は何か良いものはないかといつも注意しています。新聞記事はもちろん、テレビでは古家を改築する「ビフォーアフター」や、夢を追う開発者・挑戦者を紹介する「夢の扉」はよく見ています。

その当時、客室での独特のカビ臭さに頭を痛めておりました。北向き東側の部屋は日陰なので、特にひどく困っていました。OPTIMUSの新聞記事を見た時、「これだひ」とピーンときました。

OPTIMUSの効果はどうでしたか?
右側の写真のようにOPTIMUSを塗る前は、北向き・東側の部屋は日中でも薄暗く、風通し良くするために、こまめに換気していました。

でも、OPTIMUS を塗った後は、光触媒の消臭効果によって客室が綺麗に消臭されました。以前のカビ臭さなど全然しません。

特にこの薄暗い明るさの中でも、消臭してくれる光触媒の素晴らしい性能に感謝です。

これからは、まだ塗っていないところに、どんどんOPTIMUS をどんどん取り入れていきたいと思います。



宮田住職、最後に何か一言お願いします。
私は代々の住職と同じように、住職として、今だけでなくこれから将来の總持院を考え、責任を果たさなければなりません。

私は常日頃、「理屈通りで、良いものは良い」と考えています。伝統として引き継ぐべきものは正しく引き継いでいく。

これは建物だけでなく、生き物である若い僧 たちにも、厳しく正しく、親身に指導しています。

でも変えなければならないものは、住職の私が責任を持って、変えなければならないんです。

30年後は死んでしまっているかもしれないのに、予想うして行動するしかないんです。 住職はしんどいですわ、カッカッカッ(笑)。

最後に・・・

今回は、高野山別格本山「總持院」 宮田住職に、お話を伺いました。住職の人間味あふれた人柄に触れ、話を伺った私もほっこりと心温まる思いもしました。これから何十年・何百年先の寺院のことを思い・考えられている住職に弊社のOPTIMUS を使って頂き、こちらこそありがたい気持ちでいっぱいになりました。